夏川 草介 『神様のカルテ2』

  • 2011/11/04(金) 23:40:00

2011.10.30




マンガ版で話の流れは大体わかっていたのに・・・




それでも泣かされてしまってちょっと悔しい。(苦笑)


でも地域医療の厳しい現実がベースにあるので気持ち良く泣けるんでしょう。


ただ前作でも感じたけど作者の願望が大分入ってるねぇ。(笑)


それだけ現実は厳しいってことなのか。


  ・


これ映画よりもドラマ化して欲しかったなぁ。

もちろん主人公は桜井翔以外で。(爆)

佐々木譲 『密売人』

  • 2011/10/20(木) 22:30:00

2011.10.12




内容紹介
10月も半ばを過ぎ肌寒くなってきた北海道で、ほぼ同時期に三つの死体が発見された。函館の病院にて為田俊平の転落死、釧路の漁港にて飯森周の水死、小樽の湖畔にて赤松淳一の焼死。それぞれの事件は個々に捜査が行われ、津久井卓巡査は小樽の事件を追っていた。一方、札幌大通署生活安全課所属の小島百合巡査は、登校途中の女子児童が連れ去られた一件に、不穏な胸騒ぎを感じていた。三か所で起こった殺人と小島の話から、次に自分のエス(協力者)が殺人の狙いになると直感した佐伯宏一警部補は、一人裏捜査を始めるのだが・・・・・・。



期待の道警シリーズ第5弾。

エンターテイメントの読み物としては相変わらずの高水準。

タイトルがなんで”密告”ではなく”密売”なのかがわかるラストも心憎い。

そして佐伯も津久井もようやく組織とは雪解けの気配が・・・

どうなる昇進は!?


なんて次回作への撒き餌もすでに。(笑)


  ・


たださすがに3作目くらいまでのようなわくわく感に乏しい・・・


読み手の私が勝手に飽きてきただけなら良いんだけどね。(汗)




『警官の血』のような重厚な小説を待ってます!

土田世紀 『雲出づるところ』

  • 2011/10/07(金) 21:00:00




土田世紀は昔から好きなのだが単行本でまとめて読むのは意外にもこれが初めてだった。


さてお話はこうきたらイヤだなと思う不幸が主人公の二人にこれでもかこれでもか!

と襲ってくる展開で否応もなくたじろいでしまった。(苦笑)

そして結局は主人公の二人は不幸の果てまで行き着いてしまう。


でも読んでいて不思議に陰鬱な気分にはならなかった。

読後も深い哀しみが残るけどそこに絶望はない。


土田世紀はいつも”人”を信じている。


この真向ストレート勝負はまるで川上健一のようだ。(笑)



だったら嫌いなわけがないじゃないか。

志水辰夫 『夜去り川』

  • 2011/09/29(木) 21:00:00

2011.09.15





内容(「BOOK」データベースより)
渡し舟の船頭に身をやつし―男の目的はいったい何なのか。黒船が来航し、武士としての誇りを失いかけた男が選んだ道とは。



時代小説は藤沢周平が亡くなってからはとんとご無沙汰だった。


それが二年前に志水辰夫の『みのたけの春』を読んで以来、この人の新作が待ち遠しくて堪らなくなった。

暗い闇と重い澱から抜け出した後期の藤沢周平に通じるところがあるからだ。



そして今作もシミタツ節を存分に味わえた。


図らずもモラトリアム的な気分?を抱え込んだ主人公が良い。

その気分はもちろん背負っている重荷からきているのだけど幕末の時代に武士としてどう生きていくのか?

青年らしく思う姿が懐かしく胸がいっぱいになる。

読後は清々しさでいっぱいになった。




ただ後半というか残りの1/4はいくらなんでも展開が急過ぎたように思う。

なんだか無理やり終わらせたみたいな。(苦笑)


最初の3/4までは満点だったのに。

それだけがちょっと残念。

村上春樹 『1Q84』 BOOK1〜3

  • 2011/09/14(水) 22:30:00

2011.9.1



満を持して?一気に読んでみた。

ようやく異常なブームも落ち着いたのでそれほど待たずに図書館から借りれるようになったのだ。(爆)



 ・


変らぬ世界感と独特の文体が読み手の意識をビンビンに刺激してくる。

面白くなかったなんてことはない。

一気に読んだくらいだから面白かったのだ。

一気にとはいっても4週間かかったが。(汗)




ただ何を描きたかったのか正直なところよく分からない。

全然消化もしてません。


かといって再読して消化したくなるほどでもない。



さすがの村上春樹さんも最近のこういった路線は『ねじまき鳥クロニクル』を頂点にゆっくりと下降線をたどっているように感じる。


それともBOOK4で感動的な大円団を迎えるのだろうか?

このまま何もかも投げ出したまま終わるってとても不親切だと思う。


BOOK4?

あるでしょう!?(笑)



ただ運命の美少女を描くのはさすがだった。


ふ・か・え・り♪

参りました。

降参です。(笑)


あとBOOK3に入ってからの牛河もたいそう魅力的でした。




以上!

さそうあきら 『さよなら群青』

  • 2011/08/26(金) 21:00:00

2011.8.15




少年と少女の100%の純愛物語。


さそうあきらさんと言えばかつての『犬・犬・犬』や『トトの世界』のような狂気を孕んだような世界はどこへ行ってしまったのか?

という感じでここしばらくは表面上の底意地の悪さがかなり薄れてしまって、『マエストロ』や『おくりびと』のような温かい作品が続いていたけれど、ここまでピュアな物語って初めてだ。


でもこの人がピュアに徹っしたらどうなるのか?

一回は読んでみたかった。


そんな物語を読み進めていると、どこかに置き忘れていた何かが疼きだしてきた。(苦笑)

この感覚は随分と久し振りだ。


ただこの物語を切実に感動してしまうには自分はちょっと歳を取りすぎたようだ。(笑)


もちろん面白く無かったなんてことは無いです。

最近読んだ中では極上の部類に入ります。


ただ絶賛中の糸井重里さんには申し訳ないが?

私はやっぱり『マエストロ』や『おくりびと』の方が好みです。

夏川草介 『神様のカルテ 』

  • 2011/07/27(水) 22:30:00

2011.7.12




内容紹介
栗原一止は信州の小さな病院で働く、悲しむことが苦手な内科医である。ここでは常に医師が不足している。
専門ではない分野の診療をするのも日常茶飯事なら、睡眠を三日取れないことも日常茶飯事だ。
そんな栗原に、母校の医局から誘いの声がかかる。大学に戻れば、休みも増え愛する妻と過ごす時間が増える。最先端の医療を学ぶこともできる。
だが、大学病院や大病院に「手遅れ」と見放された患者たちと、精一杯向き合う医者がいてもいいのではないか。
悩む一止の背中を押してくれたのは、高齢の癌患者・安曇さんからの思いがけない贈り物だった。第十回小学館文庫小説賞受賞作。



現代医療が抱える問題点を散りばめてはいるものの内容は軽いファンタジーものと呼んでもいいものだった。

主人公の古風な話し方だとか奥さんや友人の男爵や学士との関係も含めて作者の願望がかなり入ってるなぁと思う。

でも気持は分かる!(苦笑)


物語に味や深みとかを求めてしまうとちょっとアレだけど、こういう懐かしい温かさは嫌いじゃないんで良かったです。

毛糸の帽子のくだりにはやっぱりジーンとしてしまったし。


でもちょっとやられた感があって悔しい。(笑)



ということで続編も図書館に予約しました。

ただいま150人待ち!(笑)

  
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映画版は奥さん役の宮崎葵はともかくとして主人公が桜井翔って柄じゃないでしょ?

ジャニーズ枠ねぇ・・・




他に空きはなかったの!?(爆)

村上春樹 『走ることについて語るときに僕の語ること』

  • 2011/07/08(金) 22:45:00

2011.7.7




内容紹介
1982年秋、『羊をめぐる冒険』を書き上げ、小説家として手ごたえを感じた時、彼は走り始めた。以来、走ることと書くこと、それらは、村上春樹にあって分かつことのできない事項となっている。アテネでの初めてのフルマラソン、年中行事となったボストン・マラソン、サロマ湖100キロ・マラソン、トライアスロン……。走ることについて語りつつ、小説家としてのありよう、創作の秘密、そして「僕という人間について正直に」、初めて正面から綴った画期的書下ろし作品です。



実はこの本は何年か前に読んでいる。

読んだいうよりも読み飛ばしたというのが正しい。(汗)

村上春樹は間違いなく大好きな作家なのだが、残念なことに当時はランニングにはまったく興味が無かった。

だから村上春樹が走ることについて語っている内容は文章としては理解出来ても、それがどういうことなのか感じ取ることが出来なかった。

だから読物としてあまり面白いものではなかった。


ただジョギングづいている今ならどうなんだろう?

と再度手にしてみた。


 ・


手のひら返します。(笑)

面白かった♪


それはもちろん自分のジョギングの体験を通して村上春樹が語る走ることについてが実感として感じとれるようになったからだ。

例えば10kmを一時間で走るということ。
それを毎日続けるということ。
フル・マラソンを3時間半で走るということ。

それらがどういうことなのか?

楽しかったり苦しかったりとても苦しかったりする。

そしてなんだ時には案外と楽に流してるんじゃないかとか。


もちろん自分はフル・マラソンなんか走ったことはないが想像は出来る。


となるともともと大好きな村上春樹。
面白くないはずがない。(苦笑)


一番共感したのは次の言葉。

『人は誰かに勧められてランナーにはならない。
人は基本的には、なるべくしてランナーになるのだ。』


最初は減量目的で始めたジョギング。
それがいつのまにか走ること自体が目的になっていた。
もちろん基本的に楽しいからだ。

でも誰かに楽しいよ〜♪

なんて勧められても絶対にやらなかっただろう。

確かになるべくしてなる。

自分がランナーだなんてとってもおこがましくて言えないけど。

それにこの"走る"というマイ・ブームもいつまで続くかわからんし。(大汗)


でも今はまだ気持ち良く走っていたい。

と読んでいてまたこんな気持ちになった。


週末晴れればまた新潟島を走りに行こう。



フル・マラソン?



走ってみたい・・・






でもまだ、無理だろう!?(苦笑)


西原理恵子 『パーマネント野ばら』

  • 2011/06/03(金) 23:00:00

2011.5.20

映画版はあれでも随分と上品にまとめていたんだなぁと・・・(笑)

いやいや!

逆によくあそこまで映像化したもんだと改めて感心しました。





原作は映画以上にオバカで下品でエネルギッシュで哀しい人々が主人公。

どう夢みても足掻いても抜け出せない。

笑い飛ばすか現実から目を逸らして生きるていくしかないじゃないか。


笑いや何気ない一コマから滲んでくる痛みや優しさはこちらの方がより胸に刺さってくる。



西原マンガはあんまり相性が良くないのだが初めて共鳴できた。

この人のをまた読んでみたい。



『毎日かあさん』


早よ、終われ!?(苦笑)

奥田英朗 『純平、考え直せ』

  • 2011/05/26(木) 23:30:00

2011.5.10




出版社/著者からの内容紹介
坂本純平、21歳。埼玉県東松山市出身。新宿・歌舞伎町のチンピラにしてみんなの人気者。
心酔する兄貴分の命令は何でも聞くし、しゃべり方の真似もする。女はちょっと苦手だが、困っている人を見るとほうっておけない。
そんなアナクロな純平が組長から受けた指令、それは鉄砲玉(暗殺)。

決行までの三日間、自由時間を与えられた純平は羽を伸ばし、さまざまな人たちと出会う。
しかしその間、携帯サイトではなんと「純平」に関するスレッド
が立ち、ふらちな書き込み合戦が白熱していく──。


作者のこれまでの作品はシニカルではあってもどこかで救いや希望を感じさせてくれてそこが大好きだった。

だけど『オリンピックの身代金』の辺りから苦味が勝ってきたようだ。


もちろん作者が純平に向ける視線は基本的に温かいし独特のペーソスもあって笑わせてくれる。


それだけに後味は苦い。


個人的にはヤクザが死のうがどうしようがどうでもいい。

というよりも殺しあっていなくなってくれた方が世のためだと思う。

ネットに集まる連中も純平を心配はしても具体的な行動を起こすわけではない。

所詮は他人事なのだ。




苦味の源は自分の中にもある。


救いはもしかしたら続編もあるかも?

という終わり方だろうか。

村上もとか 『JIN -仁- 』

  • 2011/05/11(水) 22:45:00

2011.5.4

立ち読みを我慢して良かったぁっ♪(殴っ!!)





   

続きを読む

池井戸 潤 『下町ロケット』

  • 2011/04/21(木) 23:35:00

2011.3.3



内容説明
佃航平は宇宙工学研究の道を諦め実家の町工場を継いでいたが、経営はまさに崖っプチ。だが世界最先端の技術で特許出願をしていた佃製作所に、ロケット開発という思わぬ展開が…。『週刊ポスト』連載を加筆・訂正して単行本化。



胸をすくような爽快感!

久し振りに良い小説を読んだなぁと♪


物語は大企業からのいわれの無い訴訟に始まり、後半は夢の実現に向けた意地とプライドをかけた戦いになだれ込んでいく。

そしてこうあって欲しいと願う形で結実する・・・・・


現実はもちろんこんなに甘いもんではないだろう。


しかし、大企業、銀行、中小企業。
それぞれの論理やディティールをとてもリアルにそして分りやすく描いている。
登場人物も皆キャラが立って魅力的だ。

だから思わず佃製作所を手に汗握って応援してしまっているのだ。



甘くったって良いじゃないか!


我々だってたまにはスカっとしたいのだ!!(笑)


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いつのまにか読み終えてからもう一ヵ月半以上も経っていた。(汗)

ちょっとエントリーのタイミングを逸してしまった。


でも今は本当にスカっとしたい!


スカっと気を晴らしたいもんですねー♪