ブルース・スプリングスティーン 『闇に吠える街』 BOX  その1

  • 2011/01/16(日) 20:00:00

CD3枚とDVD3枚のBOXセット。

さて、どれからにしたもにか?

としばし悩んだ。(笑)

でも最初はやっぱり本編だよなぁとリマスター盤の『闇に吠える街』を選んだ。



  
  
この『闇に吠える街』は一時期熱心に聴いたアルバムだった。
それは発売から半年ほど経っていた’78年の12月。


ただ例によって最初はあまり芳しい印象では無かった。(苦笑)

それまで聴き馴染んだウエスト・コースト・ロックのように爽やかでもなく南部の香りもない。
かと言ってポップでもないし、かっこいいギター・ソロが聴こえてくるわけでもないので一般的なハード・ロックの文法にも当てはまらない。

そしてスタイリッシュとはとても言い難い鉛の塊のようなサウンド。

これがとにかくとっつきにくかったのだ。


でもそのサウンドに段々馴染んでくると今度は目に浮かんでくるものがあった。

夢見ることを諦めらてもなお何かを切望してやまない男達の姿。


その頃の私は高3で後数ヶ月もするとスタンドに就職することになっていた。
バラ色の未来なんて到底夢見ることが出来なかった。

だからそんな男達の姿に心を揺さぶられたのだと思う。
彼らに数ヵ月後の自分を重ねて見ていたのだろう。



青年期への決別。
スプリングスティーンはこのアルバムで今に続くスプリングスティーンになった。
ストーンズが『スティッキー・フィンガーズ』でストーンズになったように。
好きか嫌いかは別にして。

今回、32年振りに聞き返したのだが記憶にあるよりはずっと『明日なき暴走』のイメージを残していた。
青年期の残り香がまだギリギリ漂っている。

特に”ジャングルランド”や”裏通り”での夢が破れた後日談のような”サムシング・イン・ザ・ナイト”。
冒頭のスプリングスティーンの咆哮があの頃の記憶を呼び起こす。
胸が焦がれるようだ。


私は就職して『明日なき暴走』を含めて初期3作を後追いで聴いてからは、この『闇に吠える街』はパッタリと聴かなくなってしまった。

初期3作には”明日”を無邪気に信じる力があった。
私もなんだかんだ言ってもその頃は青年期の真っ只中だった。
そこに薫るロマンチシズムに惹かれたのだ。


ただ中高年になった今はそのロマンチシズムはちょっと眩しい。

『闇に吠える街』の鈍い重さに心を惹かれてしまうのだ。

 

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