ポール・オースター 『オラクル・ナイト』

  • 2010/11/23(火) 20:00:00

2010.11.16
 




内容(「BOOK」データベースより)
重病から生還した34歳の作家シドニーはリハビリのためにブルックリンを歩き始める。不思議な文房具店を見つけ、そこで買ったブルーのノートに新しい物語を書きだすと…。美しく謎めいた妻グレース、ダシール・ハメットのエピソード、ガーゴイルのように動き出す物語の渦。ニューヨークの闇の中で輝くものを描き出す、感動の長編。



ストーリー・テラーとして名高いポール・オースターの小説を読むのは今回が初めてだった。

読む前はもっと小洒落てちょっとジーンとくるような良い話を書く人だと思っていたのだがその予想は良い意味で裏切られた。


まさしくストーリー・テラー!

のっけから知的好奇心を激しく刺激してぐいぐいと読ませること。

私は基本的に小説内小説という技法は好まないのだが、それでもこの重層的な視線に唸らされた。

お話そのものはちょっと村上春樹の『ねじまき鳥クロニコル』を思い起こしてしまった。

ただ『オラクル・ナイト』には寓話的な要素はない。

だから癒しも許しも祈りも無い。

残ったのは静謐で悲劇的な結末。



そしてこの悲劇をどう受け止めたものか?

ちょっと困惑している。


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読みやすい日本語訳は特筆もの♪

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