イーグルス 『ロング・ラン』

  • 2010/11/03(水) 21:00:00




どこまでも沈みこんでいきそうだった頃のことを思い出す。(苦笑)


イーグルスの『ホテル・カリフォルニア』
は私にロックの素晴らしさを教えてくれたアルバムだった。
特にアルバム・ラストを飾る”ラスト・リゾート”。

”もうフロンティアなんてどこにも残っていないけど、それならここをそうしてやる。”

こんな限りなくロマンチックな歌詞に田舎の高2のニキビ面の少年はころりと参ってしまったのだ。


それから待つこと2年半近く。
本当に待ちに待ったアルバムがこの『ロング・ラン』だった。

各雑誌のレビューの評価はあんまり芳しくは無かったが、そこは大好きだったイーグルス。
かなり期待してレコードに針を落とした記憶がある。



アルバムの幕開けはメンフィス・ソウル風の”ロング・ラン”。
歌詞だけみると前述した”ラスト・リゾート”のスピリッツを受け継いでいるようだけど見せかけのから元気でしかない。

続く”言いだせなくて”はヒットしたスロー・ナンバー。
だけど気が滅入ってきそうなメローな曲調だ。
そしてこのたったの一曲だけでイーグルス面しているティモシー・B・シュミットも気に入らなかった。(笑)

3曲目の”イン・ザ・シティ”は爽快なロック・ナンバー。
このアルバムでは一番好きだったがジョー・ウォルシュのソロ・ナンバーにしか聴こえない。

B面に移っても威勢だけは良いが今夜も胸が痛むだろうと歌う”ハートエイク・トゥナイト”。

そしてラストを飾る”サッド・カフェ”。
曲調も歌われる歌詞も一番イーグルスらしいナンバーだと思う。
だけど”楽しかったあの頃”を偲ぶように歌ったこのナンバーは聴いていると一番胸が痛んでくる。

他は”何ものか”をただ”皮肉っただけ”のナンバーがあるだけだ。
それまではたとえ皮肉ってはいてもどこかしら温かさがあったのに・・・・・


というわけでアルバムは総じて重く沈みこんでいきそう空気に包まれていた。
聴いていて楽しくなるような類のアルバムでは無かった。

このアルバム”ロング・ラン”が発売されたのは’79年の秋。
自分が一番落ち込んでいた時期だった。
だから前作の”ホテル・カリフォルニア”のようにどこかで明日を感じさせるような内容を待ち望んでいたのでこの”ロング・ラン”は受け入れるには辛すぎる内容だった。


しかし今回、久し振りに聴き直してみたのだがなんでこんなに憶えているんだろう?

というほど各ナンバーを覚えていた。(笑)

こりゃダメだ・・・・・
と思いながらもそれはそれとして結構聴き込んでいたようだ。

かと言ってアルバムとしてはやっぱり散漫な感じが否めなかった。
でも変な思い入れもなくなったからなんだろう。

中身の無いから元気にから騒ぎ。
そこから滲むどうしようもない虚しさ。

長い人生だ。
どうにもうまく行かずに煮詰まってしまうときだってある。

なんてことをつらつらと思いながら聴いた各ナンバーは記憶に残っていたよりも悪くは無かった。


特に”サッド・カフェ”。
自分もそれなりに年を取った今はあの頃よりも切なく胸に沁み込んでくる。


過去を振り返るのはとても甘美なことなのだ。(汗)

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