『東京物語』 小津安二郎監督

  • 2010/10/06(水) 23:30:00






家族の絆と喪失を描いた映画といえば最近では是枝裕和監督の『しゃべれども、しゃべれども』が出色だった。
ちょっと前だとベルトラン・ダヴェルニエ監督の『田舎の日曜日』も印象に残っている。

この『東京物語』も老夫婦とその子供達家族を描いて名作として名高いのだが観るのは今回が初めてだった。
というよりも小津映画そのものが初めてだったのだ。(汗)

だってさすがに60年近く前の映画だしテンポも緩いだろうし、もしかしたら退屈するんじゃなかろうかとずっと躊躇していたのだ。



でもそんな心配は杞憂だった。


親と子の愛情とちょっとした確執と打算。
現代となんら変わることのない普遍的なテーマ。

監督の冷徹ではあるが温かな視線で紡いで魅せてくれたこの物語りには、しみじみとした哀しみとそして仄かな希望が漂よっていた。

いったい今まで何を躊躇していたんだろうと思わずにいられなかった。


そして印象に残るのは”行ってまいります”を初めとした言葉の美しさ。

隣人の何気ない気遣い。

他人を思いやる心。


この国はこんなに美しかったのかと・・・・・

かつて美しかったこの国を画面を通して眺めているだけでどうしようもなくこみ上げてくるものがある。


そして笠智衆の毅然とした穏やかさ。

原節子の佇まいの美しさ。


いつまでも記憶に残っていくだろう。


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遠い昔に自分を随分と可愛がってくれた父方の叔父さん。
祖父は二人とも私が生まれる前に亡くなっていたので私にとっては祖父のような存在だった。
叔父さんも痩せて穏やかな人だった。


オレはあんなにはなれないよ・・・・・

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