マーク・ベノ 『雑魚』

  • 2010/06/02(水) 22:30:00

このアルバムはレコードで手に入れてからもう30年近くが経つ。

夏が近づいてくると聴きたくなってしまう今でも大好きな一枚だ。






ジャンルで言えば’70年前後に流行ったスワンプ・ロックということになる。

でもこのアルバムにはスワンプ・ロックでイメージする湿った土臭さよりももっと都会的でそして涼やかなものを感じてしまう。


主役のマーク・ベノのバッキングを受け持ったのは当時のスワンプ・ロックの中心をなしていた名うてのミュージシャン達。

クラレンス・ホワイト、ジェシ・エド・デイヴィス、ジェリー・マギー、ボビー・ウォマック、カール・レイドル、ジェリー・シェフ、ジム・ケルトナー、リタ・クーリッジ、クライディ・キング ・・・・

既に半数近くが故人になってしまった。
今となっては絶対に集められない素晴らしすぎるメンツだ。

彼らが奏でるソウル/R&B風味も効いた演奏は大らかでゆったりとして本当に魅力的だ。
特にここで聴けるギターはなんとも涼やかな響きがあって心地が良い。

そんなバックの演奏の中にスムーズに溶け込んでいるようなマーク・ベノ本人のヴォーカル。
はっきり言うとへなちょこ系のヴォーカル(苦笑)なのだが変な臭みが無く嫌味がない。
呟くでもなく力むこともなく実に自然体で不思議な魅力がある。

そしてアルバムに収められたナンバーも全てマーク・ベノ本人のペンによるものだ。

穏やかな中にも熱いものがにじんで来る冒頭の”フラニー”。
続くエッジの効いたビートの”ラヴ・イン・マイ・ソウル”。
ブルーズロックの”ストーン・コテージ”
イーグルスがやってもおかしくないような”グッド・タイムス”
なんともエモーショナルな”ベイビー・ライク・ユー”。

なかでも”スピーク・ユア・マインド”はこのアルバムを象徴するような独特の浮遊感に溢れていて何回聴いても飽きることの無い大好きなスロー・ナンバーだ。


今回、CDで買い直して聴いているのだが、またこのアルバムの深い味わいの虜になってしまっている。

私はマーク・ベノの音楽的な個性はこのアルバム一枚っきりしか持っていないのでよくは分からない。
だけどこのアルバムの素晴らしさはここでのバッキングを担当したミュージシャン達との邂逅があってのものに他ならないと思う。

多分、その邂逅も音楽の神様の気まぐれな導きによるものだったんだろう。


音楽の神様の気まぐれに深く感謝。

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私はなんとか学費を貯めて20歳の時に専門学校に入り直したのだが、親にまた小遣いをくれと言えるわけもなく毎日バイトに明け暮れていた。
肝心の時給は400円。(笑)

そのバイトの帰りに今は亡きブラック・ライオン(中古レコード屋)でこのアルバムを見つけた時は狂喜したものだ。
当時でもとっくの昔に廃盤になっていて幻の名盤だった。
新潟なんかでは絶対に手に入れられないと思っていた。
アルバム発売からちょうど10年後の’81年の7月のことだった。

8月に入って学校が2週間ほどの僅かな夏休みの間も相変わらずバイトに精を出していた。
バイトに通う前の午前中のひと時。
氷を入れた一杯のコーラを飲みながらこのアルバムを聴いて過ごしたことを思い出す。


今年もまた直に暑い夏がやってくる。

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  • 2013/12/19(木) 14:24:13

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  • 投稿者: -
  • 2010/06/03(木) 07:41:51
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デートのお誘い?ありがとうございます♪(笑)

そろそろ身体も動かさねば!とは思っていたので参加させて頂きます。
でも寝坊しそうで・・・・・(汗)

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