業田良家 『自虐の詩』

  • 2007/08/31(金) 23:55:19





業田良家氏は大好きな漫画家の一人。
そのきっかけとなったのがこの『自虐の詩』。
このマンガを手にしたのは10年ほど前のこと。
書評で大河ドラマとして絶賛されていたから。
雑誌の連載中に途切れ途切れに立ち読み(汗)していたときの記憶では普通の4コマ漫画だった筈。
なのに大河ドラマ?って。
ということで興味が沸いて読んでみた。

このマンガ、上/下巻の2巻構成になっていて結構分厚い。
しかし最初のうちはつまんなかった。
普通の4コマ漫画。
主人公達のキャラも立ってなくてなんとなく作者もまだ手探り状態の様子。
期待外れもいいところ。
でもこれから変わるのかもと半信半疑の状態で我慢して読み進んでみた。

ところが下巻に入ると、もう怒涛の展開。
主人公達の驚愕のそして哀しい生い立ちや関係が次々と明らかになっていく。
なんなんだ、これ!?えっ?えっ!?って感じでもう息つく暇を与えない。
誰かが言っていたけど、作者にマンガの神様が降臨したとしか思えない。

しかも作者の人間に対する洞察眼と表現力が際立っている。
特にラストで深い感動を残すことになる主人公の幸江と友達の熊本さんの学生時代のエピソードは心に沁みる。
自分の家も貧乏だったし(マンガほどでは無い(苦笑))、小学校の頃しばらくの間なんとなく仲間外れにされたりしたこともあったので、彼女達の気持ちが痛いほど分った。
いろんな感情が湧き上がってきて涙が止まらず。。。
号泣しながら読み進めることになった。
そしてラストの決して諦めではなく全てを受け入れることで手にしたささやかな安らぎ。
読み終えた後もしばらくの間は深い深い余韻に浸ることになった。
ただ、思い出す度に涙が滲んでくるのには参ったけど。

この4コマ漫画は確かにかけねなしの大河ドラマだった。
というよりもこの4コマ漫画の手法でしか表現しえないものだと思う。
作者の業田良家氏と、氏に降臨してくれたのであろうマンガの神様に感謝です。

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こんなの書いてたらまた久し振りに読み返してみたくなってしまったなぁ。
いかん、また涙が。。。(苦笑)

さて、もうじきこのマンガの実写版の映画が公開される。
映画のHPみた限りでは。。。
少しは期待出来そう?

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