スフィアン・スティーヴンス 『ミシガン』

  • 2009/11/17(火) 22:30:00





1曲目の”Flint”であっという間に引きずり込まれた。

気がつくと4曲目の”Say Yes! to M!ch!gan! ”で目から変なものがこぼれていた。
全66分の15の物語を聴き終えたときは家人には見せられないほどボロボロになっていた。
誰も居間に降りてこなくて良かった。(苦笑)

普段はこんなにロックから離れた音楽だと必ずどこかで退屈してしまう筈なのに。
本来はバンジョーの音色だってカントリー臭くってあまり好きではない。
なのになんて優しい響きに聴こえるんだろう。
ブラスもまるでストリングスのようにじんわりと切なく胸に届く。


このアルバムでのスフィアンのストーリー・テリング振りは、あのランディ・ニューマンを思い起こさせる。
でもその目線はより温かい。

それはスフィアン自身がライナーで語っているように貧しい少年時代を送ったことによることが大きいのだろう。

私もスフィアンほどでは無いが貧乏な少年時代を送ったのでよく分かる。
僻まずに他人を思いやることがどれだけ難しいことなのか。(苦笑)

痛みや辛さや悲しみを抱えていてもなお友人や他人を思いやれる。
そんな優しさと哀しみが同居したアルバムだ。


こんなアルバムに出会えることは滅多にない。
数年に一度。
いや10年に一度。

こんな音楽が聴きたくてずっとレコードやCDを細々と買い求めている。
だから音楽は(聴くのを)止められない。


こんなスフィアンみたいなヤツがいるから心のどこかがアメリカを葬りされない。

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スフィアン・スティーヴンスはこれまで全くノー・マークだったので聴くのは今回が初めてだった。
このアルバム”ミシガン”は全米50州シリ−ズの1作目だという。
シリーズは2作目の”イリノイ”より先はまだ発表されていない。

それは同時代に生きる人間の音楽を同時代にこれからも聴けるチャンスがたっぷりと残っているということだ。

過去の名作と呼ばれるアルバムを再発なんかで初めて聴くのも良いがどこかしら味気なさが残るものだ。
少なくとも私には。
それは”同時代を生きてきた/生きている”というキーワードに決定的に欠けてしまうからだ。


間に合って良かった。

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