くるり 『魂のゆくえ』

  • 2009/06/22(月) 23:30:00

なんだか地味だなぁと思いつつ、ここ10日間ほどこのアルバムを聴いていたわけですが確信しました。

くるりのアルバムでは一番良いです!




前作の『Philharmonic Or Die』もバンドの一つの到達点を示したような素晴らしい出来で、ただそれだけにこれから”くるり”はどこに向かうんだろうと?一抹の不安を感じたものだった。

そんな中で届けられたニュー・アルバムはストレートな”歌ものロック”だった。
でも単純にまた『アンテナ』の頃に原点回帰したってことではなく、しっかりと『ワルツを踊れ』を通過したことを感じさせる内容だった。
良いメロディに良い歌詞に簡潔だけど良い演奏。
地に足を付けて”歌”を”歌”としてしっかりと聴かせてくれる。

その肝心の歌も”愉快なピーナッツ”や”太陽のブルース”など純粋に良い歌がいっぱいで、CDをプレイヤーにセットして一曲目の”LV45”が聴こえてくるとラストの”背骨”まで通して聴きたくなる魅力に溢れている。

そしてアルバム全体に漂ういつにない前向きな肯定感がまた魅力的です。
以前のように昔の思い出が蘇ってきて後ろを振り返って切なくなるような歌はどこにもない。
根がペシミスティックな自分としてはちょっと寂しいところなんだけど。
いやかなりか?(苦笑)

でも前向きといってもそこは”くるり”。
苦しい現実は現実として受け止めて、でもどうせ苦しむんなら前を向いていよういった感じで、巷に溢れる能天気な応援ソングとは当然のことながら一線を画している。

特に終盤の4曲。
(初回限定ボーナス・トラックの”三日月”はありがたいけどやっぱり余計だ。)

何かの祈りのように聴こえる”デルタ”。
明るく躍動感に溢れてスマップなんかに歌わしても面白いんじゃないだろうかと思わせるタイトル・チューンの”魂のゆくえ”。
心の希望のゆらめきを魂のゆくえに例えた歌詞も秀逸です。
続いてあのザ・バンドを思わせるような肯定感に満ちたリズムでたたみ込んでくる”ベベブ”
そして太いグルーヴの中から聴こえてくるメッセージが心に沁みるラストの”背骨”。

この終盤の流れは本当に圧倒的で何回聴いても感動してしまう。


少し前に観たヤング@ハートという映画。

平均年齢80歳のジイサマ/バァサマ達のロック・コーラス隊が歌ういくつかの歌には原曲を超えて訴えかけてくるものがあって深い感動を覚えたものだった。
もちろんこれは原曲がジィサマ/バァサマ達の歩んできた人生の重みに負けないパワーを持っているからに他ならないからなんだけど。

”デルタ”や”魂のゆくえ”、そして”背骨”。
これらは彼らジィサマやバァサマの歌でも聴いてみたい。
多分これらの歌もジィサマやバァサマの歩んできた人生の重みに耐えうる”歌”だと思うから。


素晴らしいアルバムを届けてくれた”くるり”とこのアルバムに出会えたことに深く感謝です。

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ピアノとバック・ヴォーカルがかなり効いてます。
担当した世武裕子さんには要注目ですね♪

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