ザ・スミス 『ザ・スミス』

  • 2009/02/20(金) 23:59:00




アズテック・カメラとは違ってスミスも好きだったと言うのは、恥ずかしい過去を告白するようでどうにもためらいを感じてしまいます。(苦笑)


最初にこのアルバムを聴いたのは23歳になりたての頃だった。
東京の会社に就職して一年ほどもたった冬の終わりで生活のリズムは既に出来ていた。
けれど二人部屋の寮生活には慣れることは無かったなぁ。(ちょっと横道)

聴いてみようと思ったのは、当時ちょっと流行っていたネオアコ系のバンド/アルバムということで割と評判が良かったから。
まだアズテック・カメラも聴く前のことでネオアコってどんなんだろう?と。
でも外れの予感もおおいあったのでレコードは買わずにレンタルしてカセットに録音して聴いていた。(汗)

最初は起伏の無いメロディに呪文のようなモリッシーのヴォーカル。
おまけに演奏もエレキ・ギターが入ってガチャガチャと結構ハード。
ただ煩さいだけだった。(笑)
どこがネオアコなん?
こりゃ合わん、やっぱりレコード買わなくて良かったなぁと。。。


それが3月にもなると東京って一気に春めいてきて、夜になっても妙に艶かしいというか生暖かい空気が漂うことが新潟に比べると多かった。
あの意味も無くドキドキソワソワしてしまうような。
特に地下鉄のプラット・フォームで列車が連れてくるそんな風が心地良かった。

1曲目の”リール・アラウンド・ザ・ファウンティン”と5曲目の”ザ・バンド・ザット・ロックス・ザ・クレイドル”。
それに10曲目の”アイ・ドント・オウ・ユー・エニシング”は、そんな頃に妙にマッチするフワフワとしてどこか切なくなるような浮遊感を感じさせる歌で、通勤・帰宅の際にウォークマンで繰り返し聴くようになってしまった。
それをきっかけに最初はただ煩いとしか感じなかった他の歌にも段々と馴染んでくるようになると、切迫感を伴った痛みのようなものが聴こえてきて大好きになっていった。
特に”ユーヴ・ゴット・エヴリシング・ナウ”、”スティル・イル”や”ハンド・イン・グローヴ”の疾走感にはやられてしまった。

もちろんレンタル・レコードでのカセットへの落としだったから、歌詞カードも無かったので何を歌ってるかなんて全然分らなかったんだけど。
でもそれって、モリッシーのナルちゃん振りを投影したような歌詞と、彼の写真を眺めることも済まずに出来たので逆に良かったのかもしれない。(爆)

10年ほど前にちゃんとCDで買い直したときには、思いがけずにレコードには収録されていなかった”ジス・チャーミング・マン ”が入っていて、これがスミスにしてはわりと弾んだリズムのポップなチューンで新曲を聴くように楽しんでいた。
ただ歌詞がこれがまた例によってモリッシーのナルちゃん丸出しなんだけど。
やっぱり対訳読まなきゃ良かった。(苦笑)


まぁ、なんだかんだ言っても実はアズテック・カメラの1stと同じくらいに愛着のあるアルバムです。
今でも年に何回か思い出したように聴きたくなることがあるんだけど、いつもあの艶かしい春の風や電車待ちをしていた駅のプラット・ホームの匂いを思い出してしまいます。

でもこういうのって思い出したいから聴きたくなってしまうってのもあるんだろうね。

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それにしても一人でいるのがけっこう好きな自分にとって、6畳一間の二人部屋の寮生活って悪夢のような時代だったな。
スミスのこの1stを聴くとこうした思い出したくないことも思い出してしまってちょっと困ります。(苦笑)

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