徳弘正也 『バンパイア 昭和&近未来不老不死伝説』

  • 2009/01/09(金) 23:10:00

2009.1.3





徳弘正也さん。
この人、絵はきったないし下世話で下品だしで昔から大ッキライな作家でした。

まさかこの人のマンガをこうして大人買いして読む日がくるなんて。。。
あっ、大人買いとはいってももちろん古本です。
徳弘さん、ごめんなさい。(苦笑)

でもそれなりに長く生きていると考えられないことが起きるもんです。
実際この人のことはずっと無視し続けていたんだけど、見方が変ったのが数年前立ち読みでチェック(殴っ!)していた『狂四郎2030』から。
相変わらずの下ネタのくだらないギャグが満載なんだけど、そんな下世話さの中から人間の根源的なものが垣間見えてくる。
ひょっとしたらこの人はすごいものを書いているんじゃないだろうかと。。。

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今回初めてこの人のマンガを通して読んだみたんだけど、宗教論というか国家(日本)論みたいなものがちょっと煩かったかな。
それに全体を通してみると『近未来編』は蛇足かななんて。。。

それでも人間の根源をついた郷愁を伴った哀しさだとか身を切るような切なさに痛み。
そして怒りをここまで描ききれるのはすごいとしか言いようがない。

特に『昭和編』のラストなんかはもう圧倒的でした。
ちょっと大友克弘さんの『童夢』を思い起こしてしまった。
しかもこちらは身を切るような切なさを伴ってるし。

そしてストーリー的には『昭和編』で終わらせた方が良かったとは思うけど、『近未来編』でのかすかな希望と哀しみの余韻を残しての終わり方もこれはこれでありかなと。

それにしても年末に読んだ『男の操』の業田良家さんもそうだけど、人間をきちんと描ける人はやっぱり強いです。

いつか『狂四郎2030』も読んでみなくてはね。

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しかし、この下品な下ネタのギャグだけはなんとかならんか?
これ面白いから読んでみればってカミサンや小娘に勧めらないじゃん。(苦笑)
多分、照れ隠しというか自分の中でバランスを取ってるんだろうけど。
でも単に描くのが好きなだけだったりして。(爆)

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