業田良家 『男の操』

  • 2009/01/04(日) 18:00:00

2008.12.30




出版社の紹介では”売れない演歌歌手・五木みさお。亡くなった妻との約束だった「紅白出場」を夢見て、一人娘のあわれとともに頑張るハートフル演歌人生ギャグ。”となっている。
う〜ん、ちっとも面白くなさそうだぞ。(苦笑)


だけどビッグコミックに連載中もずっと読んでいて展開も分かっていたにも関わらず、年の瀬にまた号泣させられてしまった。(恥ず)


かつての名作『自虐の詩』と同様に前半はそんなに面白いとも思えないギャグ(殴っ!)で登場人物を紹介していく。
でもこの前半のエピソードの数々が後々効いてくるんだ。。。

そして後半スイッチがカチっと入って転調すると、後はもうジェットコースターのような息もつかせぬ怒涛の展開。
こうくるのかよ?っていう驚愕の終盤に入る頃にはもう涙を拭っている暇が無くなっちゃう。
作者に再びマンガの神様が降臨したかのような感じです。


自分が何もかも記憶を失ってしまっても、全てを憶えていてくれると励ましてくれる人がいる。
想いをそっと胸に閉まって見守っていてくれる人がいる。
ただそれも人生を誠実にそして精一杯生きてきたからのもの。

やっぱり演歌と言えば演歌そのものの世界なんだけど、この歳になってくるとそれらがどんなに大事なものなのかが分かります。

だけどなんでこんな絵柄で泣けてくるんだよ!(笑)

もちろんそれは作者の確かな人間観察眼と人間哲学を織り込んだようなストーリーテリング振りが素晴らしいからなんだけど。
本当にこの人はすごい。


そして終盤の”瞬間と永遠は、きっと同じものでできてるよ”って言葉も真理をついて深く心に残ります。

その場面を思い返してるだけでまた。。。(汗)

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しかし自分を覚えていてくれる人がどれだけいてくれるんだろう?
柄にも無くそんなことまで考えさせられることになった紅白前日の夜でした。


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