伊坂幸太郎 『ゴールデンスランバー A MEMORY』

  • 2008/09/25(木) 23:30:00

2008.09.22

伊坂幸太郎 『ゴールデンスランバー A MEMORY』





「伊坂幸太郎的に娯楽小説に徹したらどうなるか」という発想から生まれた、直球勝負のエンターティンメント大作。

↑これ、カバー裏の謳い文句なんだけど、嘘偽り無しでした。


得意の時間軸をずらしての構成も引っ掛けではなく、読み手の興味をそそる範囲のもの。
やっぱり上手いわ。
この人。
全くの堂々たる正攻法でここまで読ませてくれるってスゴイもんです。
人気があるのもよぉ〜っく分かりました。
図書館も3ヶ月待ちになろうというもんです。(笑)


でも私はこの人のを読むのは『ラッシュライフ』に続いてまだ2作目だけど、後に残る余韻をあんまり感じることが出来ないんですよね。
読んでる間はもちろん特上クラスの面白さなんだけど。
だけど首根っこを押さえつけられてグイグイと、引きずり込まれていくような感じがしないのが少し物足りないところです。

なんか淡白というか。
それは登場人物達にも言えるんだけど。
昔、ムーンライダースのアルバム・レビューで、’性欲ありますか?’
なんて非道いコメントがあったけどそれに近いものを感じます。
生身の肉体性に乏しいというか。
出来の良い映画の中で幼さの残る若手の役者さん達が、背伸びミエミエの演技をしているってイメージで感情移入するまではいかない。
世代が違えばまた違うんだろうけど。

だから上手いなぁと感心はしてもスゴイ!と唸ることは無いんですよね。

もっと荒削りでいいから血肉を感じさせるような骨太な物語を!
とは思うけど、それはこの人に求めるべきものではないんだろう。

それに取ってつけたようなヒューマニズムが顔を覗かせるどこぞの作家さんよりもずっと好ましいんですけどね。

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繰り返し繰り返し登場するモチーフとなったビートルズのゴールデン・スランバー。
昔々の高校の夏休みの間に飽きるほど繰り返し聴いてホントに飽きちゃった歌です。
何の思い入れも無い歌なんで、途中でしつこいなぁって思ってしまった。(苦笑)

音楽の趣味はやっぱりスティーブン・キングの方がピッタリきますね。
やっぱ世代が違うんだなぁ。(笑)


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