奥田英朗 『純平、考え直せ』

  • 2011/05/26(木) 23:30:00

2011.5.10




出版社/著者からの内容紹介
坂本純平、21歳。埼玉県東松山市出身。新宿・歌舞伎町のチンピラにしてみんなの人気者。
心酔する兄貴分の命令は何でも聞くし、しゃべり方の真似もする。女はちょっと苦手だが、困っている人を見るとほうっておけない。
そんなアナクロな純平が組長から受けた指令、それは鉄砲玉(暗殺)。

決行までの三日間、自由時間を与えられた純平は羽を伸ばし、さまざまな人たちと出会う。
しかしその間、携帯サイトではなんと「純平」に関するスレッド
が立ち、ふらちな書き込み合戦が白熱していく──。


作者のこれまでの作品はシニカルではあってもどこかで救いや希望を感じさせてくれてそこが大好きだった。

だけど『オリンピックの身代金』の辺りから苦味が勝ってきたようだ。


もちろん作者が純平に向ける視線は基本的に温かいし独特のペーソスもあって笑わせてくれる。


それだけに後味は苦い。


個人的にはヤクザが死のうがどうしようがどうでもいい。

というよりも殺しあっていなくなってくれた方が世のためだと思う。

ネットに集まる連中も純平を心配はしても具体的な行動を起こすわけではない。

所詮は他人事なのだ。




苦味の源は自分の中にもある。


救いはもしかしたら続編もあるかも?

という終わり方だろうか。