橋口亮輔監督 『ぐるりのこと』

  • 2009/03/26(木) 23:55:00




ゆったりとした時間が流れるているような中で、ある夫婦の10年間の歴史を見せてくれました。

夫の職業が法廷画家という設定でその年毎の事件や世相をさりげなく思い起こさせて、他人事ではなく今を生きる二人が浮かび上がってくるのも心憎い演出でした。

ただ中盤妻の精神が壊れていく過程はちょっと辛くなって早く終わってくんないかなぁなんて思ってしまったけど。(汗)

だけど暗いトンネルをゆっくり抜け出るように妻の精神と夫婦の関係が徐々に再生していく様子はとても素晴らしかった。
このときの10数分間、バックでずっと寄り添うように静かに流れていた音楽も特筆ものの美しさだった。

そしてこれからもまた何があるかは分からないけれど、これまでと変わらずに夫婦二人で過ごしていくんだろうと思わせてくれたラストもまたジンワリと心に残りました。

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倍賞美津子さんはさずがの存在感だった。
しかし、ちょっとだらしなくも心優しい夫を自然に演じたリリー・フランキーは驚きだった。
脚本を当て書きしたんじゃないか?と思うほど。

その中でも圧倒的だったのは木村多江さん。
熱演を熱演と感じさせない演技は本当に素晴らしかった。
脱帽です。
鼻水たらして泣き喚いても可愛いってのは反則だけど。(笑)