鈴木博文 『bonyari bonyari』

  • 2008/09/10(水) 22:37:32




50歳を過ぎて終わった?
あるいは終わりつつあるものへの諦めきれない想い。
哀しみだとか怒り。
そして焦り。
それらがシンプルだけど、とても深みを感じさせる歌詞によって、時に淡々と時に激情を伴って胸に届いて来ました。

  〜ただ生きている。ただ息してる。〜

  〜誠実なだけがとりえならば、いつかきっと後悔するだろう〜

こんな歌詞の行間を味わいながら聴いてたら、この40分ほどのアルバムはあっという間に聴き終えてしまっていた。

そしてラストの『影法師』の骨身に堪える切なさといったら。。。

でも極めつけはやっぱり10分を超える『馬鹿どもの夜』。
ここでの狂おしいまでの焦燥感は圧巻でした。

私も50歳が身近なものとなった今、この切実な想いは痛いほど理解出来ます。(苦笑)


日本にニール・ヤングはいない。
でも鈴木博文さんがいてくれた。
そう思わせてくれたアルバムでした。
嬉しい。

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初めて聴いたムーンライダースのアルバムは『青空百景』。
ムーンライダースとはあんまり相性が良くない自分だけど、この中の『くれない埠頭』だけは’夏(青春)の終わり’を歌ってずっと印象に残る好きな歌だった。

今作にはその『くれない埠頭』もセルフカバーで収録されています。
淡々としたレゲェ・バージョンに生まれ変ったせいもあるんだろうけど、オリジナル・バージョンにあった何かに追い立てられるような切迫感は消え去っていた。
ただ夏の終わりを’終わったもの’として振り返っているような感じがまた別の寂しさを募らせます。


秋の終わりの季節を迎えた人間が、25年も前のまだまだ夏が終わったばかりでしかない頃に戻って同じようにやることは出来ないよね。。。