はっぴいえんど 『風街ろまん』

  • 2008/08/08(金) 22:00:00



20歳くらいの頃、金に困って20枚ほどレコードを処分してしまったことがある。
その中の一枚にこのアルバムも入っていた。
二つ折り仕様の立派なジャケットだったなぁ。。。

なんてこともあって、紙ジャケ嫌いの私が紙ジャケ仕様のCDをついつい買ってしまった。(苦笑)

このアルバムを初めて聴いたのは、これまた30年前の9月の秋口の頃。
どこかに引っかかるものはあったけど、なんとなく演奏も含めて全体がモノクロのイメージで寂しい(しょぼい)ものに感じて直ぐに聴かなくなってしまった。

でも、これは聴いた季節が良く無かったのかも?
祭りが終わった後のような季節だったし。
じきに就職試験とかも控えていて、もうモラトリアムなままではいられないって気分的にもあんまり良い時期じゃ無かったしね。
だから、もう2ヶ月ほど前の初夏から夏にかけて聴いたら良かったのかもなんて。
もちろん当時はまだモラトリアムなんて言葉は無かったけどね。(苦笑)

なんて思いがここ数年ずっと胸の中にあって、今のような季節にもう一回聴いてみたいと思ってました。

とまた前置きが随分長くなってしまった。(笑)

で、掛け値なしに30年振りに聴いてみたわけです。
  
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何なんだろう?

当時はモノクロのイメージだったのに、一曲一曲がそれぞれの色を持ってキラキラと輝いているように感じる。

現在の新譜として聴いても充分以上に魅力的です。
昔はなんでこのアルバムの良さが分からなかったんだろう?
やっぱり季節的なものもあったのかなぁ。(苦笑)

音楽的には’70年前後のアメリカン・ロック/フォークを下敷きに、どう英語に訳してみたところで日本人にしか理解出来ないだろう情緒溢れる日本語歌詞が、リズムに乗って何の違和感もなく聞こえてきます。

 〜 汚点(しみ)だらけの靄ごしに 〜
 〜 そっぽを向いた真昼の遊園地で 〜
 〜 浮かぶ駅の沈むホームで 〜 
 〜 伽藍とした 防波堤ごしに 〜

こんな印象的なフレーズの数々が心のどこかをくすぐり続けます。

ラストの『愛餓』なんて、昔はただのふざけた歌にしか聴こえなかったけど、これこそ日本語歌詞への究極の拘りだったんだ。
ま、抜いた歌には変わりないけど。(苦笑)

そして『夏なんです』。
この’歌’には強烈な郷愁を感じました。
小学校の低学年の夏休み。
お盆の墓参りで遊びに行ったオヤジの実家。
母親に手を引かれて30分ほども汗だくになって歩いたまだ舗装されていない田舎道。
夏の陽射しに照らされて白っぽく見える山々と田圃の風景。
今はもういないおばあちゃんやおじさんにおばさん。
楽しくて、そして死ぬほど退屈だった。。。

36年も前に’はっぴいえんど’が示してくれていた’日本語’のロックへの回答。
ようやくその回答の素晴らしさを実感することが出来ました。
しみじみと嬉しい。(笑)