沢木耕太郎 『危機の宰相』

  • 2008/07/31(木) 22:45:10

2008.07.29

沢木耕太郎 『危機の宰相』





沢木耕太郎さんも昔から敬愛する作家の一人です。

でもこの作品では沢木さんが’所得倍増’というキーワードに、なんでここまで執念を燃やすのか?
頭では理解してもどうしても実感として理解することが出来無かった。

『一瞬の夏』にしても、『凍』にしても、沢木耕太郎がどうして’彼ら’に入れ込むのかは理解出来たし、自分も’彼ら’に入れ込むことが出来たんだけど。

多分、世代的なものが大きいんでしょう。
私は沢木さんの団塊の世代よりも一回り以上も下の世代。
実際に所得倍増が叫ばれていたのは私がまだ物心もつく前のことだしね。

なので、この作品は読んでる分には、へー、そーなん?とか、
沢木さんの文章力でもって惹き込まれてしまうんだけど、
それ以上の興味を池田勇人氏以下の主要3名に持つことは出来なかったし、また彼らに入れ込むことも無かった。

主要3名がどれだけ信念を持った’立派’な人だったとしても、やっぱり代議士と官僚は好きになれません。(苦笑)
グッド・ルーザーだなんだと言われてもね。
だって彼らは本当の意味でのルーザーでさえ無いし。

ハイ、偏屈な人間でスミマセン。
だけど好きになれないものは好きになれません。(笑)

とはいえ終章での祭りが終わった後のような物悲しさには、さすがに感慨みたいなものが湧き上がりました。
それと後書きで下村治氏がこの小説の単行本化を楽しみにしていたというくだり。 
どういう想いで楽しみに待っていたのか?
鉄火面?の下の人間味が覗いて少し切なくなってしまった。


しかし沢木さんがこの第一稿を書き上げたのが、まだ30歳に手が届こうかという頃だっていうから恐れ入ります。
自分のそのころは?

えーっと。。。(大汗)