乃南アサ 『いつか陽のあたる場所で』

  • 2007/10/09(火) 23:59:16

2007/10/08日(月) 読了

乃南アサさんはここ10年近くの間で一番信頼がおける好きな作家。(村上春樹氏は別格として)
それはどんなに重い題材を扱ってもどこかに淡い希望を抱かせてくれる結末を提示してくれるから。
多分この人はこんな世の中なんだけど、っていうよりもこんな世の中だからこそ『人間』をどこかで信じていたいんでしょうね。
それは『祈り』って言葉に置き換えても良いんだろうけど。

今作は前科を持つ芭子と綾香の一回りほども年齢も違う二人の女性の日々の生活と友情を描いたもの。
題材そのものは重く切ない内容。
特に綾香の犯した罪と出所後の今(現在)を考えるとやり切れなくなりそうなんだけど 、テンポよくユーモアを交えて物語は進んでいくので重く沈みこむようなことはなく、二人の切実な願いが心に沁み渡ります。
ホント心象描写がうまいです。この人。
読み終えて『いつか良いことがあると良いね』と思わずにいられなかった。

今回は新シリーズ1作目ということ。
なので早く2作目が読みたい!
それに音道貴子シリーズの新作や『晩鐘』『風紋』のような大作もまた読みたい!!
って欲張り過ぎたらイカンですね。(笑)