池井戸潤 『空飛ぶタイヤ』

  • 2012/07/09(月) 21:00:00

2012.07.05




内容紹介
トレーラーの走行中に外れたタイヤは凶器と化し、通りがかりの母子を襲った。タイヤが飛んだ原因は「整備不良」なのか、それとも…。自動車会社、銀行、警察、週刊誌記者、被害者の家族…事故に関わった人それぞれの思惑と苦悩。そして「容疑者」と目された運送会社の社長が、家族・仲間とともにたったひとつの事故の真相に迫る、果てなき試練と格闘の数か月。



重い話だといやだなちょっと敬遠していたのだがそんな心配は無用だった。


追いつめられる主人公、一部造反する社員。
そして窮地に手をさしのべてくれる者・・・

ストーリーの展開から登場人物の性格設定から読み終えた後の爽やかな印象だとか以前に読んだ『下町ロケット』そのまんまだった。(笑)

ただこっちの方は大企業(権力)との戦いをラストまでずっと引っ張るので緊張感でちょっと疲れたかも?

『下町〜』の方はさすがに後から書かれただけあって前半がいわれのない訴訟問題。
そして後半が夢の実現に向けての戦いという二部構成になっていて得られる感動は上かもしれない。

そうはっていもこの『空飛ぶタイヤ』の終盤の溜飲の下がり方はやっぱり良い♪

不満を抱えた中高年?にはぴったりだ。

本当は片道4時間の出張のお伴にするつもりだったのに、あんまり面白くて止められず出張に行く前に読み終えてしまったほどだったしね。(苦笑)

望月三起也 『ビタミンI』

  • 2012/06/28(木) 22:00:00

なくし物がやっと帰ってきた!

って感じで嬉しい♪





このマンガは確か中学の2年の時にどんな内容かも知らずになんとなく買ったのだけど、それまで読んでいた『ワイルド7』や『秘密探偵JA』のイメージとは違ってコメディものだったのけどすぐに惹きこまれた。

惹きこまれた理由の一つにお色気満載だったというのもある。


とにかくドキドキしながら読んだ覚えがある。(笑)


ただそれから何年かして妙に古臭く思えてもう読むことはないだろうと処分してしまった。

他にも『ワイルド7』の1〜18巻、『秘密探偵JA』、『男おいどん』だとか『釣りキチ三平』等々・・・・・

今から考えると随分ともったいないことをしたもんだけど、これというのも全て大友克洋のせいなのだ!?(笑)


  ・


で、読み返してみたらこれが結構覚えている回もあってちょっとビックリだった。

そして思っていた以上にお色気が満載♪

これは中坊の自分にはさぞがし刺激が強かったろう。(爆)


ただ、今となってはあんまり笑えないギャグもあるんだけど同じようなナンセンス・コメディものの『ごくろう3』『うるとらSHE』と比べると、この『ビタミンI』はより人情ものの度合が高くてこの中では一番面白かった。


まぁ、ノスタルジック込み込みなんだろうけど望月三起也って基本、人情の人だもんね。(笑)


この人の泣かせるお話ってやっぱり良いんです!



とにかくまた読めて嬉しかった♪

ミュージック・マガジン 2012年7月号

  • 2012/06/19(火) 22:00:00




この雑誌だけはかれこれ30年以上も毎月欠かさずにずっと購入し続けている。


でも読み物として面白かったのはこの雑誌の創設者だった中村とうようさんが積極的に編集に関わっていた’90年代の中ごろまでだった。


そして今の編集長になってからもうずいぶん経つが、これがまた一段と面白くなくなった。(笑)


この編集長がやったことと言えば以下の四つ。

〇紙質を望んでもないのに無理やり上げて値段を上げたこと。

〇定例・連載記事の掲載位置を自分の色を出したくて意味なく変更して読みにくくしたこと。

〇ピックアップで取り上げられたアルバムをアルバム・レヴューから外したこと。

 読者の大ブーイングを受けて外した理由を その分を他のアルバムに回して情報量を上げたとかって胸を張って述べていた。
 
 でもそもそもピックアップするような大事なアルバムの情報量を下げてどうすんだよ!
 と思っていたけど2年ほどしてひっそりともとに戻した。
 
 けどその時は何故かなんの説明も有りませんでした。(笑)

〇毎月の特集記事を新譜を出した特定のミュージシャンにスポットを当て過去の歴史を振り返るとともに現時点での総括を図るスタイルにしたこと。

  これって多分編集者にとって一番楽なやり方だと思うんだけど、ミュージシャンが一巡したらどうすんだろうと思ってたらなんてことはなかった。

   いいとものテレホンショッキングとおんなじで複数回の登場も可!(苦笑)

   前回、振り返ったときと同じように過去のアルバムをまた紹介してるし。 

   おんなじのことの繰り返し。



そして今月は"ももクロ"特集。

以前からパフュームだとかKポップだとかもう何回も特集を組んでいる。


もううんざりだ。


別に彼女等(彼等)の音楽をくさすつもりはない。

所詮音楽なんて個人的な好き嫌いの世界だし。

だけどこの雑誌でわざわざ特集組む必要って無いんじゃねぇか?

自分の趣味に走り過ぎだろ!

と思ってしまうのだ。


そして上のアルバム・レヴューの件もそうだけどこの人って読者が何を求めてるかって全然見えてないように感じる。


もういい加減(編集長)辞めてくんないかな。



切に願ってます。

望月三起也 『うるとらSHE』

  • 2012/04/06(金) 21:00:00

2012.3.31





う〜ん。

なかなか本命の『ビタミンI』が手に入りません。(苦笑)


でも、こちらもお得意のナンセンスなギャグとお色気もたっぷりなのでまぁまぁ楽しめましたけどね・・・


恩蔵 茂 『FM雑誌と僕らの80年代--『FMステーション』青春記』

  • 2012/03/21(水) 23:15:00

2012.3.8





内容紹介
パソコンもケータイも持っていなかったあのころ、FM雑誌片手に“エアチェック”に熱中していたすべての音楽ファンに捧ぐ。『FMステーション』元編集長の音楽まみれ80年代奮闘記!



高校生の時分は確かにこんなFM雑誌をよく買っていた。

もちろん”エアチェック”の番組チェックのために。

続きを読む

牧野良幸 『僕の音盤青春記 Part2 1976~1981』

  • 2012/03/08(木) 21:00:00

2012.2.19




内容紹介
グッド・ミュージックが織りなす青春の記録、アゲイン! ちょっとトホホな青春と、それを時にかっこよく時にやさしく彩るグッド・ミュージックの数々。「CDジャーナル」で好評連載中の人気イラストレーター、牧野良幸のコミック & エッセイ『僕の音盤青春記』。好評を得て、待望のムック第2弾の登場です! ロック少年だった牧野良幸が、大学、そして社会人になって出会った音盤の数々を、ちょっぴり情けない、でも笑えて泣けるエピソードとともに“超私的”な視点で描くイラスト・エッセイ。連載時はモノクロだったイラストは全面的にカラーで書き直され、文章も大幅加筆。連載時のファンも必携の内容です。 全話読み切りなので前作を読んでいない方も楽しめます!



前作は作者の中学から高校卒業までを描いていたのだが、まるで自分のことを読んでいるようだった。(笑)


何の取り柄もない地味な聞くだけロック少年。

レコード(音楽)に一番熱中しそして大切にしていた時代。

紹介されたレコードも自分もよく聴いていたものも多かった。


読んでいると自分の中学/高校の頃の記憶が鮮やかに蘇ってきた。



その待ちに待っていた続編。

ようやく図書館がリクエストに応えてくれました♪(笑)


今度は大学入学から卒業。
そして卒業後のニート?な1年間と新たな旅立ちまでを描いている。


ただ自分は大学に行っていない。
だから今回はあんまり自分の記憶が重なるところが無い。

なので下宿生活で描かれる4畳半でトイレは共同なんて貧乏な一人暮らし(当時は普通)に懐かしさは感じない。

そして紹介された音盤自体も今回は自分の趣味とは違うものが多かった。


そんなわけで前作ほどの懐かしさを伴った感動はなかった。

というかそんな大学生活を自分も送りたかったんだよなぁ・・・なんて。(苦笑)



ただ、作者が大学を卒業しても自分の進路がなかなか見いだせずもんもんとしていた時代。

そして藁にもすがるような思いで手にした情報誌でつかんだ将来の糸口。


私も18歳の頃はどうしたらいいのかわからず先が見えずにもんもんとしていた。

そしてスタンドからの帰りにふと見上げたバスの中の広告がヒントになって同じように救われたことも。

その一年後、ジョンの亡くなった日の衝撃と悲しみ。

不安と焦燥感の日々。


物語が終わる’81年は私もまたようやく新たなスタートラインに立った年だった。


後半の一年はやっぱり重なってました。(苦笑)



でも先が見えすぎてしまった今から思うと、先の見えなかったあの頃はなんて素敵だったんだろうとも思う。(笑)

なんにでもなろうと思えばなれたかもしれない。

でも本気でなにかになろうとしなかった。


そこが作者の牧野さんとは決定的に違っていたんだよなぁ・・・

読み終えてそんなことをぼんやりと考えてしまった。


  ・


音楽って聴いていた頃の記憶を呼び起こしてくれるある意味タイム・マシンのような存在だ。


ずっと好きで良かったと思う。

小林まこと 『青春少年マガジン 1978〜1983』

  • 2012/02/16(木) 23:00:00

2011.12.23





読んでからもう2ヶ月近くも経ってしまったけど気を取り直して・・・(汗)


作者自身のかけがえのない日々を描いた自伝的コミック。


作品で描かれている’78〜’83年といえば私も10代の後半から20代の前半。

自分にとっても濃密な思い出がつまっている時代だ。


あれから作者と同様に私の友人も何人かが亡くなっている。

作者が泣きながら書きましたっていうのもうなずける内容だった。

読んでいてちょっと切なくなってしまった。



随分と遠いところまできてしまったなぁ・・・

佐々木譲 『警官の条件』

  • 2012/02/13(月) 22:45:00

2012.2.2





内容(「BOOK」データベースより)
都内の麻薬取引ルートに、正体不明の勢力が参入している―。裏社会の変化に後手に回った警視庁では、若きエース安城和也警部も、潜入捜査中の刑事が殺されるという失態の責任を問われていた。折しも三顧の礼をもって復職が決まったのは、九年前、悪徳警官の汚名を着せられ組織から去った加賀谷仁。復期早々、マニュアル化された捜査を嘲笑うかのように、単独行で成果を上げるかつての上司に対して和也の焦りは募ってゆくが…。



ずっと絶好調を保っていたような佐々木譲さんだったけど、やっぱり『警官の血』をピークにゆるやかな下降線をたどっているように思いました。

人気の道警シリーズも最近はマンネリとまではいかないまでもさすがに新鮮味が無くなってしまったし、直木賞をとった『廃墟に乞う』にしてもこの人の最上の部類ってわけではなかったし・・・


そうは言ってもこの『警官の条件』は久しぶりにずっしりとした読み応えもあって面白かった。


ただ欲を言うとまったくの新作として読みたかった。

『警官の血』の続編や後日譚なんてやっぱり余計ものだと思う。

確かに加賀谷仁というキャラクターは魅力的だったからあのままフェードアウトしたままにしておくのは勿体ないって気持ちもあったんだろうし、書き足りなかったという想いも強かったんだろう。


気持ちはわかるけど新しいネタがもう浮かばないんじゃないだろうかって寂しくなってしまった。


ま、本当に余計なお世話でしかないだろうけど。(苦笑)

中村とうようアンソロジー

  • 2012/01/23(月) 22:00:00

2011.12.21




内容紹介
多くの読者に絶大な影響を及ぼした
おもしろく情熱あふれる記事の数々

1969年の創刊以来40年以上にわたり、中村とうようが『ニューミュージック・マガジン』『ミュージック・マガジン』、その増刊号・別冊に書いた数多くの記事の中から、音楽ファンのあいだで話題となった評論や、大いに役立ったアルバム・ガイドなどを選びました。ロック、ソウル、ブルース、ジャズ、サルサ、ブラジル、アフリカ、アジア、歌謡曲──ジャンルを超越して音楽の楽しさ、おもしろさを熱く説き続けた中村とうよう。メモリアルとして、また、その全体像を知るための手引きとして、ぜひお読みください。



ロックを信じて始めたミュージック・マガジンだったのに、真っ先にロックから離れていったのはとうようさんだった。


こうやって昔からの記事をまとめて読むと’90年代以降は彼にとってロックがグッド・ミュージックではなくなってしまったことがよくわかる。

そしてずっとグッド・ミュージックを追い求めていたことも。


たださすがのとうようさんも昔の記事を今読むとそれは違うんじゃないの?

ってところも結構あって面白かった。(苦笑)

一時は無条件で信じていたこともあったから。


でも好きだったなぁ、このガンコジジィ・・・



ひとまずはこれでグッド・バイです。


ありがとうございました。

2011年備忘録マンガ・小説編 ベスト5 

  • 2012/01/17(火) 20:00:00

1.村上もとか 『JIN -仁-』
2.池井戸 潤 『下町ロケット』
3.三浦しをん 『風が強く吹いている』
4.順平考え直せ
5.西風 『LAST MOMENT』

次点
夏川 草介 『神様のカルテ 1、2』


去年はまた、読書量が減ってしまった。

年々気力が衰えてんだろうなぁ。。。orz(苦笑)


の割に去年はなかなか面白いものを読めたと思う。

ラッキーだった♪

特に『JIN』には至福の一時を過ごさせてもらった。
大人買い&一気読みの醍醐味の極致でした♪

ただおかげでマンガの方はあらかた読みつくしてしまったようで近頃は読みたいものがあまり見当たらない。

早くまた連載が終わって欲しいと願えるようなマンガの登場を待ってます。(笑)

三浦しをん 『風が強く吹いている』

  • 2011/12/23(金) 21:00:00

2011.12.12





内容(「BOOK」データベースより)

箱根の山は蜃気楼ではない。襷をつないで上っていける、俺たちなら。才能に恵まれ、走ることを愛しながら走ることから見放されかけていた清瀬灰二と蔵原走。奇跡のような出会いから、二人は無謀にも陸上とかけ離れていた者と箱根駅伝に挑む。たった十人で。それぞれの「頂点」をめざして…。長距離を走る(=生きる)ために必要な真の「強さ」を謳いあげた書下ろし1200枚!超ストレートな青春小説。最強の直木賞受賞第一作。



こんな小説が在ることすら知らなかったのだがランニング関係の雑誌で推薦されていたので読んでみることにした。

自分がランニングを始めていなかったら読もうなんて絶対に思わなかっただろう。

私もなかなか分かりやすい人間だ。(苦笑)


とはいえよくありがちな泣けるスポ根ものだとイヤだな〜・・・


なんて思いながら読み始めたのだがこれはよくできた青春小説だった♪


ただお話にはちょっと無理がある。

だって素人集団が僅か半年で箱根の予選会を突破するとか一年足らずで3分/kmペースで20km走れるようになるとかね。

ちなみに私は一年で5分/kmペースで15kmがやっとだった。(恥)

彼らも若いとはいえまず無理だろう!?(笑)


でもこのままだまされていたいと思わせる心地好さがあった。


それは肝心の”走る”ことについての描写に嘘が感じられないからだ。


楽しさ。

気持ち良さ。

スピードへの畏怖。

レースの興奮。

その先へ、もっと遠くへ・・・


読んでいると自分も無性に走りだしたくなってしまう。

そこに青春の甘酸っぱさまでまぶしてあるのだから堪らない。(笑)


終盤のレースの結果には思わず声を上げてしまっていた。

そして気が付いたら目から汗が。


オッサン、いいようにやられてました。(爆)


こんな気持の良い青春小説ってなかなか無いです♪

志水 辰夫 『待ち伏せ街道』

  • 2011/12/02(金) 22:00:00

2011.11.8





内容(「BOOK」データベースより)
さる藩の江戸留守居役の奥方を西国へ逃がしてほしい―。ご法度を承知で危険極まる注文を引き受けた仙造。しかし待ち受ける伏兵をかわしながら隘路を進むうち、彼女はしだいに本性を現わし始めた…。遠国の脇道をも知り尽した通し飛脚。膂力と覚悟は人一倍ながら、活路の見えぬ時はある―。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)



蓬莱屋シリーズの第3弾。

今作では3つの短編が収録されていた。

もちろん主人公のキャラは三者三様。

でも”通し飛脚”としてのプロフェッショナル振りは変わらない。

意地とプライドをかけて送り届けようとする過程がまたミステリー仕立てになっていて、いつものようにページをめくる手が止まらない。


やっぱりこのシリーズは面白い。

まだまだ息切れしそうにない。


次作も楽しみだ♪